感情に抑えが効かなくなる、ミソフォニア(音嫌悪症)
ミソフォニア、あまり聞きなれない言葉ですよね。
この症状は、ある音を聞いてしまうと感情の抑えが効かなくなります。
私がこの症状をきちんと自覚できたのは、つい最近のことです。
この症状で、悩んで鬱っぽくなったこともあるし、怒りの感情が込み上げてきて家族に八つ当たりしたこともありました。
同じ症状で悩んでいる方は、共感できる内容をお話ししていますが、ミソフォニアは周りの理解が必要不可欠で、この症状を知らない方にこそ読んで頂きたいです。
ミソフォニアについて説明
音に敏感になってしまうミソフォニアは、音嫌悪症とも呼ばれています。
聴覚過敏だとか気にしすぎだと思われがちですが、それとは全く違い精神状態に影響するのが特徴です。
では、具体的な発症条件と症状について説明します。
どういう時に発症してしまうのか?
精神状態が揺さぶれるよう決められた音があり、その音を聞いてしまうと発症してしまいます。
その発症原因となってしまう音は、人それぞれですが代表的な音がこちらです。
- 物を食べる時の咀嚼音
- 耳元でのコソコソ話
- スリッパの音
- キーボードの打ち込み音
- 息の呼吸音
これが全てではありませんが、このような音で発症することが多いです。
実は音だけではなく、貧乏ゆすりなどの行動も症状を引き出す原因になる場合もあります。
私の場合、鬱っぽくなっていたときは音を想像してしまうことから、物を食べているときに顎が動く場面を見ただけでも怒りの感情が抑えられなくなっていました。
発症した場合、どんな症状が出てしまうのか?
症状も人によって違います。
- とにかく怒りの感情が湧いてくる
- 鬱っぽくなり自己嫌悪が強くなる
- 精神が不安定になりパニックになる
このような症状が出てしまい、感情を自分で抑えることができません。
私の場合は怒りの感情が込み上げてきてしまい、その怒りをどこに向けて良いか分からず、自己嫌悪してしまいます。
ミソフォニアの原因とは?
残念ながら、ハッキリとした原因は不明。
調べたところによると、脳の働きや造りが人と異なる部分がることや子供の頃に受けたストレスが原因と言われていますが、明確な原因はまだ突きとめられていません。
もし、子供の頃のストレスが原因であれば、私は少し思い当たる節があります。
私の両親は、ふたりとも飲食店に勤めており昔から食べ方などの作法に厳しく、それがストレスに感じていたことがありました。
そこから、他人への食べ方や作法がものすごく気になり出したのを覚えています。
確かな原因ではありませんが、もし同じような境遇の方の参考になればと幸いです。
ミソフォニアが原因となった実体験
私が経験した、2つのエピソードを紹介します。
もし、似たような経験をされていればミソフォニアの可能性が高いです。
破壊衝動が抑えられず、風呂場の壁を破壊
ミソフォニアという言葉をまだ知らないときのことです。
私の場合、咀嚼音への嫌悪感が強く小学3年生頃から気になっていましたが、今ほど強くはなく、歳を重ねるにつれて気になり方が増していきました。
そのときから、人と一緒に食事をすることが得意ではありませんでした。
1人目の子供も産まれ、いつも通り過ごしていましたが仕事でのストレスもかかり精神的に辛い時期に事件は起こりました。
奥さんが何気なく食べているスナック菓子の咀嚼音に、自分でコントロールできないようなすごい怒りと破壊衝動が湧いたのです。
自分でもなんで怒っているのか分かりませんでしたが、どうしても耐えられず風呂に入ることを理由にその場から逃げ出しました。
どうしても怒りと破壊衝動が抑えらえず、風呂場で暴れまわりその場にある物を投げつけたり、殴ったりして壁に穴をあけてしまったのです。
写真は、そのときに穴を無理矢理タイルで塞いだもの
奥さんには、咀嚼音で怒ってしまったということを言えずに、滑って転んだと無理のある嘘をついてしました。
このことをキッカケに、私は何かがおかしいということを自覚することになります。
家族への八つ当たりで夫婦仲に影響
私は、上記の事件からミソフォニアを発症しやすくなっていました。
これも家族と食事しているときの、咀嚼音が原因になった事件です。
子供達が食べるキュウリのポリポリとした音と皿うどんの揚げ麺を食べるバリバリとした咀嚼音に怒りの感情が抑えきれなくなりました。
奥さんも子供達も、食べ方が汚いという訳ではなく食べるときにどうしても出てしまう音です。
ですが、私はこの感情を抑えることができなくなり態度に出してしまい、コップやお皿を強く机に置いて物にあたり、さらには奥さんと子供にも八つ当たりしてしまいました。
その結果、家族の空気は悪くなって奥さんとは口論になり、夫婦仲に影響が出たのです。
私自身、怒りたい訳ではないのにどうしてこんなことをしてしまったのだろうという自己嫌悪にも襲われました。
実体験で分かったこと
今紹介したエピソードは、自分自身ミソフォニアということを自覚していないからこそ起こった事件だと思っています。
この2つの事件を通して分かったことは、自分は何かがおかしいということです。
アンガーマネジメントの本を読んで、怒りをコントロールしようと取り組みましたが、根本的な理由が違うので無意味でした。
ネットで調べて自分自身がミソフォニアという症状であるということを自覚して、そこからどうすることが良いのか考えた結果を紹介します。
ミソフォニアは改善できない。付き合い方について紹介。
ミソフォニアは、病気じゃなく障害です。
残念ながら治すことはできません。
付き合っていくほかないのです。
ここからは私自身が実践している付き合い方を紹介します。
発症原因となる場からとにかく逃げて下さい
ミソフォニアは、主な原因は音です。
なので、聞こえなければ発症してしまう恐れはありません。
行動が発症原因となる場合でも、その場から離れて見えなくすれば発症する心配はないでしょう。
音だけ防ぐのであれば、耳栓やイヤホンで音を遮断してしまうのも良い方法です。
私の場合、咀嚼音が発症原因なので家族と同じ食卓には座れません。
一緒の食卓に座れないのは、本当に申しわけなく思っていますが発症してしまう方がツライのです。
自分がミソフォニアということを自覚する
まずは、自分がミソフォニアだということを自覚して下さい。
自覚しなければ、私のような事件を起こしてしまう可能性が高いでしょう。
もし私が事件を起こす前にミソフォニアということを自覚できていれば、その場から離れ症状が出ないようにできたはずです。
さらに、自身はどの音で発症してしまうのか分かれば対策しやすいです。
まわりに理解してもらう
まわりへの理解が不可欠です。
特に家族など近くにいる方には、理解してもらいましょう。
家族で食事するときなど、理由もなく離れてしまっていては家族からの理解が得られず仲が悪くなってしまいます。
家族だけではなく、できるなら仕事場にも理解してもらえるように努めて下さい。
ミソフォニアということを理解してもらえれば、その場から離れていてもおかしな行動ではありませんので、周りの理解・協力があればストレスなく対策できます。
私の場合、家族から理解をしてもらい子供からも「パパはこの音嫌いだよね」と言ってくれるようになりました。
親としては、いらない気を遣わせてしまって申し訳ないと思うのですが、発症して怒りを出すよりも良いと思っています。
ミソフォニアが自覚できれば、普段の生活には支障は出ません
ミソフォニアは、まだまだ知られていない障害のひとつです。
私のように自覚できていれば対策できるので、普段の生活には影響はありません。
子供と同じ食卓に座れないのはツライですが、私の場合は音が聞こえなければ発症しないので、離れている台所で同じ時間に食事をとり対策しています。
こういった対策を取るためにも、まずは自覚しなければどうすることもできません。
今回、紹介した症状にあてはまる部分が多ければミソフォニアの可能性があります。
自覚できれば、対策できるので普段の生活に支障が出ないようすることが出来ます。
まわりに理解してもらえるように、説明することも出来ます。
発症すれば辛くてどうすることも出来ないミソフォニア。
上手く付き合っていくために、自覚することから始めましょう。
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